サービス残業って違反ですよね?
残業代って、普通はもらえるんですよね?
うちの会社は、残業代を払ってくれません。
周囲の人たちも皆、サービス残業。
こんなのって、おかしいですよ。
どうも、他の人たちは上司が怖くて言えないみたいです。
どのように対処したらよいか、残業の正しい知識も教えてください!
サービス残業の多くは違反
あなたの考えは正しいです。
サービス残業の多くは法律違反になります。
その法律は「労働基準法」で、その法律によると法定労働時間を超えて仕事をする場合は、残業代を支払わなければならないと定めているのです。
もしも、会社の就業規則で、残業代がでないとなっているとしたら、その規則が労働基準法違反ということになります。
それは、労働基準法第92条です。
残業の正しい知識を深める
では、残業の正しい知識をご紹介します。
まずは、法定労働時間ですが、法律では1日8時間、週40時間以下という定めです。
それ以上働くとなると、残業代を企業は支払わなければいけません。
残業代は割増しになり、場合によっては割増率アップになります。
また、企業は所轄の労働基準監督署と36協定を結んでいます。
この協定が結ばれていないと、企業は社員を残業させることはできません。
もしも、36協定を結んでいないのに、残業をさせたとなったら、法律違反です。
その場合、労働基準法第119条違反で、「6カ月以下刑務所に入るか、罰金として30万円以下の金額を払う」ということになります。
そして、仕事以外でも残業代が支払われるケースがあります。
制服や作業着に着替える時間や、約束した取引先の来訪を、時間外で待つ時間などです。
さらに、強制参加の研修や社員旅行も残業代になります。
こうした時間は残業代として請求することも可能です。
残業代が支払われないときの対処法
実は、自分で残業代を請求できます。
そのやり方をご紹介しましょう。
その場合、残業時間を証明できるものが必要です。
たとえば、タイムカード又は出勤簿のコピーや、交通ICカードの通過履歴でも良いですし、ラインやパソコン情報でも良いでしょう。
こういった証拠集めをしてください。
証拠集めができたら、残業代を計算しましょう。
計算の仕方は、残業時間に1時間当たりの基礎賃金の25%をかけます。
この基礎賃金は、基本給を月平均所定労働時間数で割るとよいです。
「月平均所定労働時間数」は365日から、1年間の休日の数を引いた数と1日の所定労働時間数を12で割った数を足すと出ます。
ただし、うるう年の場合は366を使うので、ご注意ください。
ここまでできたら、「内容証明郵便」で会社側に残業代の請求書を送りましょう。
内容証明の中には、請求先の会社名や住所、ご自身の名前と住所はもちろん、雇用契約や残業の証拠と残業代を払ってくれなかった事実について、記載したものを入れます。
その他に、残業の事実があるのに、残業代未払を証明できることや残業代の金額も記載してください。
請求金額の支払期限や支払口座も必要です。